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「新政権の思考の一端を見る」
 昨今の鳩山首相の言動はマスコミ報道によれば、少なからず米国を苛立たせているように感じます。
 ─「米国的金融資本主義やグローバリゼーション」批判ともとれる発言。アジア重視に軸足を置いた動き。緊密で対等な日米関係という言葉の裏で普天間基地移設計画の見直しと結論先送り等々。
 これ等の首相の思考を考える手掛りの1つとして、7年前位から行われている経営塾(講師は連志連衆會の松岡正剛氏)があります。勿論、鳩山氏も参加している訳ですが「本来の日本と将来の日本をつなげたい」との内容で行われております。
 膨大な講義の中のほんのさわりですが、首相の思考との関連があるやも、という目で見ると興味深いものがあります。(以下、講義内容のさわり)

■21世紀になり、グローバルスタンダードのようなマクロの基準が正しいというような考え方が支配的になり、マクロが正しければそれをミクロに当てはめても良いと考えてしまう。
挙げ句に、ミクロの国もマクロの国に右へ倣えをしなければならないという流れが作り出され、その中に日本も埋没してしまっている。
世界の中の日本という国を考えるに当たって「日本の成り立ち、そこからくる日本民族の特性」というものを踏まえた上で具体的な生き方の方法を見出すことが重要。

■日本を考えるに当たって「合わせ・揃い・競い」というキーワードが大事。
昔から日本流として根付いている方法は、最初に競争や闘いがあるのでなく、まず異なる形や考えを「合わせる」場をつくる。場があるとそこに強弱や遅速といった「競い」が生まれるが、そこで終わらせないで全てを再編集して「揃い」として作り上げるという方法である。
現在の日本はこれが上手く出来てなく、世界のスタンダードに合わせて、何もかも同型・同質に揃えようとし過ぎている。不揃いでありながら揃えていくやり方が日本流。

■元々、日本ではプラスとマイナス、ポジとネガの両方を同価値として扱っていく。相反する性質のものが1つの形の中に同時に成立しているような方法を多くとってきている。
高度成長期以来、日本は米国的なポジティブやプラス思考を目指してきたが、政治的・経済的に見てもこれだけで押し通していくことには無理があった。
「正」なるものだけを追いかけた計画は上手く行ってない。むしろ「正」と「負」を一緒に扱っていくべきではないか。今日の日本に欠けているのはそのような「負」を抱える方法です。
米国が正義と悪を決め、日本はそれをそのまま受け入れているような現状では「何が正か負か」が分からない。「負」は排除したり、消し去るものではなく「正と負」を精神的にも実践的にも連動させていくべきと考える。

■江戸時代に大流行した「見立て」という方法や日本人が持つ独特の「間」文化などは、「表と裏」また「相矛盾するものの中に真実がある」というような価値観を創造してきた。
「見立て」とはAをBと見なす(庭石を富士山と見なす等)。しかし、これだけでなく日本では「AをBと見なしてCを為す」というところまでが「見立て」です。
つまり、ここに於いて「AとBの間」に「何を見て、何を創発するのか」というのが見立ての根本なのです。もし、日本が米国を「正」と見なした場合、日本そのものはAとBの間に「何を見て、何を創発するか」に大きな意味があるのです。
だから、米国に文句を言われたからと言って、すぐにホイホイ返事をしたり、有無もなしに海外へ自衛隊を出したりすべきではないのです。
「どうすべきか」と思い止まることにより、そこに「間」というものが出来ます。
このときの「間」に表と裏があって、そこから新しい方針や方向が出てくるべきなのです。

CNS特別顧問 平澤 和宏
| 動体視力 | 12:00 | - | -

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